対馬やカンボジア、日本の病院で経験を重ねてきた松見看護師。限られた環境でも目の前の患者に向き合い続ける姿勢は、今の現場にもつながっています。国内外での経験を通じて感じた”看護の本質”について語っていただきました。
~看護師・松見瑛莉子interview~
ジャパンハートでの活動内容について
2018年4月~ 国際看護長期研修にて長崎県対馬病院で半年、カンボジアで半年活動
2019年5月~ RIKAジョブにて奄美大島名瀬徳洲会病院で8か月勤務
2020年1月~ JHカンボジアにて看護師として2年半活動
2022年8月~ 湘南鎌倉総合病院にて勤務中
ジャパンハートの海外活動に参加しようと思った理由は?
もともと国際協力に興味があり、貧しい人や医療の届きにくいところで困っている方々のために働きたいと思い、参加しました。本当に自分が途上国の現場で役に立っているのか模索しながら看護師として働くことは私にとって大きな覚悟が必要なことでした。
途上国の現場での経験が、今の国内での医療現場で活かされていると思う/思ったことは?
途上国の現場で感じる、限られた資源の中限られた人で目の前の患者さんに向き合っていくという力はたとえ日本だとしても起こりうることですし、そこを乗り越えてやり抜いていく力は海外の現場での経験が糧となって今の自分にあるなと感じます。災害時や未曾有のパンデミックもそうですが、平時であっても医療現場はどこも切迫した状況になりえます。それを憂いているだけでなくて、現状のあるもので最大限できることをやり続けるタフさは海外での経験からつながっているなと感じます。
海外に行った前と後で変わった、ご自身の考えや課題意識があればお聞かせください。
海外の現場では日本の臨床現場に比べてより患者さんの人生自体にフォーカスを当てていたように思います。病院や移動診療先で出会う患者さんがこれまでその病気にどう向き合ってきたのか、どういった暮らしをしてきたのか、なぜ“今”私たちのところに来てくれたのかということに思考を傾けることは重要でした。それは日本で“今”私が出会う目の前の患者さんであっても同じです。たとえそれが切迫する現場だったとしてもいつもそこに課題感を持って患者さんに向き合い続けていきたいと思っています。
今回のACジャパン広告キャンペーンのテーマは”つながっている”です。ご自身にとって、医療において途上国と日本とで”つながっている”と思うものはありますか?
医療において途上国でも日本でも私の場合は看護師ということになりますが、この一人だけの力でできることは限られています。もちろん自分自身も日々最大限の努力と責任を背負って臨床現場に向き合っていくのですが、周りと協力しながら一つのチームとして患者さんに向き合っていくことがよりよいものへと向かっていくと思います。
途上国での経験が日本で生きる時も、日本での経験が途上国で生かされる時もたくさんあるし、その現場にはいつも目の前の課題に対して自分ごととしてまっすぐ向き合っているたくさんの人がいると思います。そういった意味で途上国と日本とで“つながっている”のかなと思います。
▼2024年よりACジャパン支援キャンペーンがスタート
ナレーションに江口洋介氏 ―東南アジアでの活動と日本の医療の「つながり」を描く―
https://www.japanheart.org/topics/press-release/240701_acjapan_newad_japanheart.html