現地で学んだ「すべての人と人は対等」の精神。2024年初頭、ジャパンハートの一員としてカンボジアで1か月間の医療支援を行い、現地の外科医たちと共に向き合った藤城医師。今もなお、日本で訪問診療に従事しながら、あの経験が医療の本質を問い直す原点となっていると語ります。そんな藤城医師の体験と思いをご紹介します。
~医師・藤城健interview~
ジャパンハートでの活動内容について
2024年1月から2月までの1ヶ月間、カンボジアのジャパンハートこども医療センターで現地スタッフが執刀する外科手術の技術指導として診療に取り組んでいました。
現在は病気や障がい、社会的理由により通院できなくなった方々の訪問診療を行っています。
ジャパンハートの海外活動に参加しようと思った理由は?
困難に直面している人たち、助けを必要としている人たちになにか出来ることはないかと考えていたある日、ジャパンハートの活動を知りました。仕事や家族の都合もあり構想から実際のボランティア参加まで6年もかかってしまいましたが、今回の参加によって私自身も価値観が大きく変わりました。
途上国の現場での経験が、今の国内での医療現場で活かされていると思う/思ったことは?
カンボジアはゴミのポイ捨てが日本以上に目立ち社会問題化していました。休日にジャパンハートの敷地内のゴミ拾いを始めたところ、現地の人や日本人ボランティアが手伝ってくれるようになり、私の帰国後もゴミ拾い活動が継続されています。少しの勇気とたくさんの情熱が人を動かすと感じました。
海外に行った前と後で変わった、ご自身の考えや課題意識があればお聞かせください。
また、今回のACジャパン広告キャンペーンのテーマは”つながっている”です。ご自身にとって、医療において途上国と日本とで”つながっている”と思うものはありますか?
今振り返ってみると参加するまでの自分には、日本人は「ボランティアを提供する側」で、現地の人は「ボランティアを受ける側」という潜在意識があったように思います。しかし、カンボジアで学んだことは「すべての人は上も下もなく対等な存在である」ということを学びました。カンボジアは物質的な豊かさでは劣っているかもしれませんが、人のやさしさと思いやりの心にあふれていました。現地で学んだ「すべての人と人は対等」の精神が現在の訪問診療においてもとても重要であるように感じています。
▼2024年よりACジャパン支援キャンペーンがスタート
ナレーションに江口洋介氏 ―東南アジアでの活動と日本の医療の「つながり」を描く―
https://www.japanheart.org/topics/press-release/240701_acjapan_newad_japanheart.html