活動レポート

ミャンマー

2026.06.30

【ミャンマー】青山先生とニーニーの15年

今から15年前の2011年、1人の女の子がジャパンハートの事務所にやって来ました。

スタッフが「近所にお腹の病気で、学校に通えず困っている女の子がいる。ジャパンハートで何とか助けられないか?」と連れて来たのです。

ニーニーちゃん、6歳。

ニーニーちゃんは生まれつきの消化器・泌尿器の病気により、排泄や日常生活に大きな困難を抱えていました。

日本であれば適切な手術とケアによって、子どもたちは学校に通い、社会で活躍できるようになります。でもその当時のミャンマーでは、このような病気に対する専門治療が出来る病院がなかったのです。

そんなニーニーちゃんは「私も学校に行きたい」と願っていました。

青山先生との出会い

このような状況の中、ニーニーちゃんに救いの手を差し伸べてくださったのが、ジャパンハート上級指導医で小児外科・小児泌尿器科のエキスパートでもある青山興司先生(ジャパンハート上級指導医)でした。

その当時、ワッチェ慈善病院での手術活動のためにミャンマーに来られていた青山先生に診察して頂き、手術だけでなく手術前後の検査やリハビリなどの事も考慮した上で、青山先生が名誉院長を務められている国立病院機構岡山医療センターで手術をして頂けることになったのです。

大手術を経て、念願の学校へ

2012年5月、ニーニーちゃんはおばさんと共に日本に渡航。

初めての飛行機、初めての海外、そして大きな手術。6歳の少女の不安は大きかったはずです。

それでもニーニーちゃんは20時間にも及ぶ大手術、そして約2か月に及ぶ長期入院をリハビリも乗り越えて、翌年には学校に行くという願いを叶えることができました。

ここまで辿り着けたのは、青山先生をはじめとする医療チームの皆さんの支えがあったからこそです。

【左】手術後のニーニーちゃんと青山先生 /【右】退院間近のニーニーちゃんと青山先生(2012年7歳)

でも、この物語はここで終わりではありません。

手術したら終わりではない

ニーニーちゃんのような生まれつきの病気は、手術をしたらそれで終わりではありません。

体の状態は変化し、そして思春期から大人になっていくにつれて新たな問題が生じることもあります。

そのため青山先生は、ミャンマーを訪れる度にニーニーちゃんを診察し、そしてその都度必要なアドバイスをしてくださいました。

こうして手術後もずっと、ニーニーちゃんの成長を温かく見守り続けてくださったのです。

【左】ニーニーちゃん宅訪問(2014年9歳)/【右】ニーニーちゃんと従姉妹(2016年11歳)
ジャパンハートヤンゴン事務所にて(2019年14歳)

そして今

2026年5月。

6歳だったニーニーちゃんは、21歳になりました。

ニーニーちゃんの現在(2026年21歳)

学校に通うことを夢見ていた少女は、今は美容関係の仕事を目指す大人の女性に成長しました。

今回の訪問でも、青山先生は変わらずニーニーさんの体調を気にかけ、成長した姿を喜んでいました。そして、そんな青山先生を気遣い、雨に濡れないよう傘を差して一緒に歩くニーニーさんの姿がありました。

 

15年前、青山先生はニーニーちゃんの未来のために力を尽くしました。そして今、その少女は自分の足で未来へ向かって歩いています。

20時間に及ぶ大手術が変えたのは、ニーニーちゃんの身体だけではありません。学校へ通い、友人と出会い、夢を持ち、自分らしい人生を歩む。そんな当たり前の日常そのものを取り戻したのです。

青山先生との出会いがなければ、ニーニーさんの人生は全く違うものになっていたかもしれません。適切な医療を受ける機会が、一人の子どもの未来をここまで大きく変える。

青山先生とニーニーの15年は、そのことを私たちに教えてくれています。