活動レポート
ラオス
2026.10.16
2026年8月14日、ウドムサイ県にて、ラオス政府関係者および病院関係者とともに、MOU(覚書)に基づく甲状腺治療技術移転プロジェクトPhase 2のファイナルミーティングを実施しました。
ジャパンハートは2018年より、ラオス北部にあるウドムサイ県病院において、甲状腺疾患に対する診断・治療技術の向上を目的とした技術移転プロジェクトに取り組んでいます。
2023年には日本内分泌外科学会と連携協定を締結し、学会を通じて多くの日本人医師に活動へ参画いただきながら、現地への技術移転を進めてきました。
▼これまでの活動レポートはこちら
https://www.japanheart.org/reports/?country=laos
ラオスではプロジェクトごとに3年間のMOU(覚書)を政府と締結し、それに基づいて活動を実施しています。
3年間の活動の節目には、プロジェクトの成果や課題を関係者へ報告し、活動に対する評価を受ける「ファイナルミーティング」が開催されます。
今回のミーティングにはウドムサイ県病院をはじめ、外務省、保健省、州政府など、多くの関係者にご参加いただきました。
当日はPhase 2の3年間にわたる活動とその成果、そして今後の展望について発表しました。
関係者とともにこれまでの歩みを振り返り、プロジェクトを通して生まれた成果や今後の課題を共有するとともに、今後の活動の方向性について意見を交わす機会となりました。


2023年9月から2026年7月までの3年間、Phase 2では
年4回、計12回の手術活動を実施し、110名の患者さんに手術を届けました。
同時に、日本人医師が手術を行うだけではなく、ウドムサイ県病院の医師・看護師が主体となって診療できることを目指し、手術、術前・術後診察、周術期看護、外来診療など、さまざまな分野で技術移転を進めてきました。
特に外科分野では、3年間で実施した110件の手術のうち、
75件(68.2%)をラオス人外科医が主術者として担当。

また、手術だけでなく、甲状腺外来もウドムサイ県病院の医療者が主体となって継続され、
3年間の外来診療は
延べ3,569件 にのぼりました。

患者さんを診断から治療、術後のフォローアップまで継続して診療するための仕組みづくりも進んでいます。
看護分野でも手術室看護師による安全管理、病棟看護師による術後観察・患者教育など、現地スタッフが担う役割が少しずつ広がってきました。
一方で、複雑な症例への対応や術後合併症の早期発見、患者さんの長期的なフォローアップなど、引き続き取り組むべき課題もあります。

今回のファイナルミーティングをもって、Phase 2としての3年間の活動の区切りを迎えました。
私たちの目標は、ウドムサイ県病院の医療者が、自分たちの力で甲状腺疾患の患者さんを診断し、安全な治療を提供できるようになること。
その目標に向けて技術移転を着実に進めるため、2027年まで1年間の延長期間を設け、活動を継続する予定です。
延長期間では、手術活動5回、内科診療活動3回を予定しています。
これまでの活動を通して現地の医療者が身につけてきた知識や技術を、日々の診療の中で継続して実践できるよう、引き続きサポートしていきます。
今回のファイナルミーティングは3年間の取り組みを関係者とともに振り返ると同時に、プロジェクトのその先を考える重要な機会となりました。
現在は延長期間を技術移転の集大成とできるよう、ウドムサイ県病院や関係者とともに、次の活動に向けた準備を進めています。

Phase 2の3年間は、ウドムサイ県病院が自ら甲状腺診療を担っていくための体制づくりを一歩ずつ進めてきた3年間となりました。
今後もこれまでの成果を現地に定着させ、ラオス北部の患者さんが継続して適切な甲状腺診療を受けられる体制を目指して活動を続けていきます。
ラオスオフィス 里見春佳