特定非営利活動法人ジャパンハート

地域医療

お問合わせ・資料.請求

文字サイズ

ジャパンハート特設サイト

×閉じる

活動レポート

 

【山梨県牧丘】~特別な日~

2018.01.11

クリスマス前の病棟では、サンタクロースの三角帽をかぶったスタッフがちらほら現れていました。クリスマス、お正月と、みなさんはどのように過ごされましたでしょうか。
 
私の中で年の瀬・年明けは、雰囲気が独特で特別感があるように思います。
短い間にあるイベントごと、実家に帰省する家族が集合する機会、普段会えない親戚や友人との交流など。
そういった空気の中で、年末に退院する意味を受け持ち患者さんとの関わりから考える機会がありましたので、今回レポートに致しました。

P1011904.JPG

受け持ち患者さん・家族と初めてお会いしたのは、12月下旬でした。
自宅で過ごしていきたいという希望で転院して来られました。
呼吸器の導入に伴い気道ケアや胃ろうからの経管栄養などの方法を一緒に確認したり、口から食べてもらいたいという家族の意向に沿い嚥下造影での評価や安全な経口摂取方法について医療者と家族とで話し合いました。また、退院後のサービス関係者とで会議を行い、現在の状態やケアの状況を共有したり、今後のサービス内容について細かに相談に取り組みました。
しかし、いざ退院日を控えた時期に、その患者さんは発熱されました。
この状態では退院は難しいのではないだろうかと私は感じ、主治医へ相談すると、「この家族にとって今退院する意味はなに?」との問いがありました。
 
今退院する意味とは。
 
これまで私は、病状が安定しているか、という点でしか退院を捉えられてなかったのだと思います。
仕事で日中不在の家族が皆で看ることができる機会、
残された時間の中で最期のお正月となる可能性があること、
短期間であってもこの時期に帰る意味がありました。
 
発熱しながら退院することに、家族は不安を抱かれていたと思います。
私は、退院の送迎に同行させてもらいました。解熱しない状態でしたが、バイタルサインや呼吸状態が落ち着いていることを確認し、それを家族に声に出して何かあったら相談してもらうよう伝えました。大丈夫かなと私自身も心にもやもやする思いがあったのですが、その後、主治医の往診に同行し訪問すると、その患者さんはとても心地良さそうな表情で眠られていました。
入院中はそばに近づいたり声をかけると瞼を震わせ目を開けられていた患者さん。
やっと休めた瞬間だと本当にうれしく感じました。
自宅で過ごすことの安心感があったのだと思いました。
 
「年末」は、家族が集まる大切な機会。退院日を「大安」に選択された家族。帰る日ひとつ縁起を大切にされていること。
 
年末でなくとも、家族の思い入れや様々な事情のある特別な日が存在するのだと、感じました。
 
退院にあたって、病状が優先されるケースももちろんあります。
何がその家族のメリットになるかは、関係性やこれまでの家族の歴史、それぞれの思いなど多様であり、それを歪みなくありのまま知り、思いをつなげていきたいと思っています。
自分に正直にをモットーに、また患者や家族が取り繕うことなく正直に話せるような関係を築けるよう努めていきたいです。未熟ながらもいろいろな経験をさせていただいた1年を来年にも繋いでていきたいです。

P1012212.JPG

 

お問合わせ

お問合わせフォーム

ジャパンハートに関する
お問合わせはこちらから

ジャパンハート東京事務局
Tel: 03-6240-1564