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活動レポート

 

【山梨県牧丘】ただ生きるではなく、よく生きるための手伝いとは

2017.11.02

「山梨といえば?」果物と連想する方の多いのではないでしょうか。
わたしが活動している山梨市牧丘町とはまさに果物栽培の町。
牧丘町は標高650メートルという高地にあるため昼夜の気温差が大きく、そのため甘く張りのあるぶどうが育ちます。7・80代が現役で畑仕事をされているお土地柄。入院される患者さんは幅広く、90~100歳台の方も多く見受けられます。
実は、健康寿命の第一位は山梨県なのです。


積極的な治療というよりは、おだやかに過ごせるための療養の場、在宅へのつなぎの場としての役割を大きく担うこの病院では、その人にとって何がいちばんの幸せなのかを知り、生活につなげるためにどうしたらいいかを家族と一緒になり考えます。

 
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たとえば、食べる取り組み。
口から食べることは、その人やその家族にとってどのような意味を担っているか考えたり知りたいと思うようになりました。
それは、摂食について医師・看護師・言語聴覚氏・理学療法士・栄養士・歯科衛生士で口の環境や摂食動作について考え、
話し合える場があるからです。
わたしには摂食への看護力はほとんどない状態。
食べる姿勢、頸部の角度、用具、嗜好と食形態の選択、意欲の向上のためのアプローチ・・・などなどいろいろな視点から助言や相談させていただける機会はとても刺激となります。
疾病や廃用が進むために、食べられなくなる患者さんをこれまでみてきました。
でも、食べることへ諦めているのは医療者側ではなかっただろうかと感じることも。危険性があったとしてもそれを理解し患者さんがが望んだ上なら、その思いを受け取り医療の観点から「食べる」可能性を広げることができるのだと知りました。
 
たとえば、胃瘻増設への選択。
あなたにとって胃瘻はどんなイメージでしょうか。
わたしは「食べられない」=「胃瘻」という理解でした。でもそうではなく胃瘻を増設するメリットは食べ続けられるための道具が得られることなのです。一家の食卓を囲むことができる、お楽しみ食べができる、、食べることが苦痛にならない選択肢のひとつ。それを知った上で家族はどのような選択するのか想像すると、希望が感じられます。楽しみをつなげられる方法を知るだけで家族への思いに近づけるのだと知りました。
 
たとえば、在宅へのサポート。
「自宅で最期を迎えることを希望する人は半数以上」という調査があるように自宅で過ごしたい思いを持つ人が多く存在します。
わたしは、家族が看れないのなら、通院が難しくなった家庭である高齢者世帯や独居生活の方にとっての在宅医療は成り立たないのでは、工夫が思いつかない状態でした。
牧丘病院では、訪問診療・看護を行っています。
在宅へ往診している家庭の形は、実際には独居や高齢者世帯も多いのです。
それを可能にしているのは、在宅をつなぐネットワーク。
ケアマネージャー、サービス業者、医療者、患者・家族と情報を密にとっています。情報をどうつなげたらいいのかというのも看護師の力。病棟看護師として、在宅をサポートする関係者の会議やその後の訪問看護へ同行させていただくことで可能な形の手段があることを教えられます。

 
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 まだまだここには書ききれない思いばかりなのですが、日々この場から学ぶことは多く、医療を都合よく押し付け満足していなかっただろうかとこれまでを振り返ることがあります。

大切なのはただ生きるではなく、よく生きること。

ただ生かされることで、生きる苦しみになってしまわないように、
医療の中の患者さんではなく、医療者が生活を支える一員である視点が外せません。
幸福だと感じる場を共同して設けるために、医療者として、リスク管理とサポートは何かを考え、それが家族や患者さんが望むこととギャップが生じていないか相互の理解を深めて実現させていく。このような在り方について、未熟すぎると実感する毎日です。

思いをお聞きするのも難しく感じているわたしは、まずは基本的な部分で相手の声にきちんと傾けること、牧丘町についてもっとより知っていくこと、また自分が幸せに感じる瞬間について知ることから始めました。
それが、患者さんにとって大切なキーを拾う何かの手掛かりになる気がして・・・。
 
 場所を問わずに医療が行える看護師というのは私の中でのテーマであるのですが、医療者はサポートの一旦でしかないことを改めて実感いたします。導く立場ではなく、沿う立場であると当たり前のことをできる自己でありたい。そのための選択肢や手段を牧丘病院で学ばせていただいています。
 地域に親しまれ、信頼され、必要とされているこの病院を支えるスタッフに交じり、目の前の人の声に寄り添い希望を正しく感じ取っていきたい思いです。
 
アドバンスドナース   泉 好美






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