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活動レポート

医療活動 

ラオスでリハビリテーションボランティアをする理学療法士の意欲をかきたてた頚髄(けいずい)損傷の患者さん

2018.05.04

 彼と初めてお会いしたのは、昨年(2017年)10月の短期ボランティアの時でした。ラオス事務所から約200㎞、車で約3時間かけての自宅訪問です。10月といえばまだ雨季。車が途中で道のぬかるみにはまってしまい、スタッフ皆で車を押して前へ進む状態でした。ついに、それも限界に達し、それぞれ荷物を担いで、患者さん宅へ歩いて行くことになりました。
車いすを頭にのせ、水田のあぜ道を歩いてようやく到着することができました。とにかく、帰りも3時間かかりますので、(じょく)(そう)(寝たきり時にできる床ずれ)処置の指導やリハビリテーション評価や在宅練習指導を速やかに行い、帰りは村人の耕運機(昭和30年代の日本の田舎でも活躍していました)に乗せていただき、何とか事務所の車が待つところまで行きつき、そこから、また、3時間かけてビエンチャン市内まで戻りました。

石井さん 車椅子.JPG


 日本では、発症後1年半以上経過した頚髄損傷のこの残存レベルの患者さんであれば、車いす移乗等基本的動作は自立しているのが普通です。しかし、自力移乗どころか、車いす自走さえも起立性の血圧低下で思うようにならず、褥瘡と格闘しているような状況でした。理学療法士等の専門家による指導を受ける機会もなく、ラオスで精一杯の器具(エアーマット、電動ベッドや標準型車いす)を寄付などで揃えても動作自立は困難でした。
 
 これから、どうなるだろうとの不安を胸に短期ボランティアを終え、翌年(2018年)1月からの長期ボランティアに備えることになりました。不安はたくさんありましたが、なんとかなるさと楽観的に考えるしかありませんでした。
 
 今年(2018年)1月、再度、彼を訪ねる事ができました。10月に訪問したときとはうってかわり、家族による協力のもと、毎日の褥瘡処置や生活環境の改善、動作練習を行っていました。そこから現在まで、月に一度患者さんの自宅を訪ね指導を行っています。具体的には環境整備に必要な器具(日本国内のようにすぐに手に入らないものばかりですが)を調達したり、動作指導はタブレット等でイメージビデオを見て頂いたりしておりました。また、直接のリハビリ指導は、ローカルスタッフより、通訳してもらうのですが、私の英語力のなさと、専門用語の翻訳の困難さもあり、日本とは勝手が違うことを実感せざる得ない状況でした。しかし、リハビリや褥瘡の処置以外にも、車椅子で住居と外をスムーズに移動できるようなスロープを家族が建設したり、また、家族だけでなく近所を含め取り囲む人たちの熱心さも様々な場面で見られたりしていました。日本でしたら、理学療法士や作業療法士、あるいは同じ境遇の患者さんの助言で獲得していく基本動作や道具の操作を、月に1回の指導ですべてこなし、獲得することができるようになりました。その結果、3月には、計画していた半年先の目標を半分以下の期間で到達することができました。

ブンミーさん.JPG

このように日本では考えられない困難な状況でも獲得できたことは、本人のボディイメージの再獲得力や身体能力、スマホを利用した情報収集力等によるもので、本人や家族の並々ならぬ努力は想像以上のものだったと思います。それは、当初の私の不安を覆うどころか、私のモチベーションが一層盛り上がる機会でもありました。単に、私は援助する人、あなたは援助される人という関係とは違う感覚を味わうことができました。コプチャイライライ(ラオス語で大変ありがとう)。
石井 隆

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