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活動レポート

医療活動 

どうしてカンボジアは膿瘍が多いの?(小児科医:浅井より)

2018.09.17

膿瘍、膿瘍、また膿瘍・・・。
 
カンボジアにきて約1ヶ月が経ちましたが、皮下膿瘍の患者さんがこれでもかというほど来院されます。
膿瘍とはいわゆる「膿み」の塊のことです。その塊が皮膚の下にモコっとできた状態が皮下膿瘍です。
日本では皮下膿瘍の患者さんはほとんどみたことがありませんでした。それが、ここカンボジアでは毎日のようにやってきます。

 
どうしてでしょうか?

そもそも皮下膿瘍は、皮膚を清潔に保てずバイ菌の繁殖を許してしまった結果できます。
日本では肛門の周りに皮下膿瘍を作る患者さんはみたことがありました。不潔になりやすい場所であり膿瘍ができる理由もわかります。
しかし、カンボジアの患者さんは場所を問わず様々な箇所に膿瘍を作ってきます。

 
どうしてでしょうか?
 
先日受診した男の子は頭皮に膿瘍を作って受診しました。
膿瘍の治療は、まずは膿みを出すことが大事なので、注射器で膿みを吸い取ったりメスで患部を切って膿みを排出させます。
この子も膿みを出すために頭皮に注射器を刺して膿みを吸い取ることにしました。小さな子どもが痛い処置に耐える様子はとても辛いものがあり、自分も処置をしながら心苦しくなりました。排膿処置と抗菌薬の治療で膿瘍はだいぶ小さくなりましたが、治せども治せども膿瘍患者さんは後を絶ちません。
こうやって痛みに耐える子の処置をずっと続けています。

どうしてでしょうか?

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僕ら医療者は病気を治すことだけに焦点を当ててしまい、そもそもどうしてその病気になるのか、という想像力が欠如してしまうことがあります。

この子が頭皮に膿瘍を作るに至った経緯はもしかしたらこんなことかもしれません。
洗髪習慣がなく頭が痒くなってしまった。
痒くなった頭皮を汚い手で掻きむしってバイ菌が入りこんだ。
バイ菌が入り込んだ頭皮を洗うことなくそのまま放置してひどい膿瘍になった。
あくまで想像ではありますが、膿瘍になる前に簡単に防ぐことができたんではないでしょうか。

 
日本にいたらとても信じられないことかもしれません。汚くなった手を洗うのは当然だし、バイ菌が入りこむような汚い傷があったら洗います。
でもこちらカンボジアでの衛生意識はとても低いのです。黒ずんだ手は何度も何度も洗わないと汚れが落ちませんし、怪我した傷も泥だらけのままで放置されています。
日本とカンボジアの差、それは単純に習慣の差なんだと思います。まずは衛生の基本である手洗いの習慣ができたら、それだけで多くの病気を未然に防ぐことができると思います。
たった手洗いをするだけでです。

病気になる前に予防する。それができれば患者さんは病気にならずに済むし、医療者の負担も減ります。
僕も苦痛の表情で処置に耐える子どもの顔をこれ以上見ずに済むかもしれません。
今回ジャパンハートが企画しているJapan Heart Handwashing Projectはその第一歩になると思います。活動に共感してくださる方々の応援をお待ちしております。


<予防医療×エンターテインメント> Japan Heart Handwashing Project ~カンボジアに予防医療を広めるプロジェクト~の応援はこちら→https://fanfare.medica.co.jp/funding/projects/japanheart/
 
小児科医 浅井より

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