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活動レポート

医療活動 

続・ひとりっこ~Batheay Referral Hospital~

2017.12.04

スォースダイ!
カンボジア アドバンスドナースの沼口です。

今AAMC(Asia Alliance Medical Center)を離れて
Batheay Referral Hospitalに日本人ひとりで過ごしています。
こちらの病院は韓国協力団(KOICA)が設立した病院です。AAMCからさらに田舎へ30分ほど走ったところにあります。
こちらの病院は去年、研修生の時にひとりっこ(田舎の病院にひとりで駐在するシステム)でお世話になった思い入れのある病院です。
(去年のひとりっこ中のレポートは以下のリンクをご参照ください)
http://blog.livedoor.jp/japanheart/archives/52280652.html
http://blog.livedoor.jp/japanheart/archives/52278645.html

Batheay病院はもともと小児科や産科の医師がおり、お母さんと赤ちゃんに強い病院になる要素は揃っていました。
お産も多く、綺麗な手術室もあります。ですが、去年の冬はまだ手術経験の豊富な医療者がおらず、手術室は閉鎖されていました。そこでBatheay病院とAAMCは「Batheay病院で帝王切開ができる」を目標に奮闘してきました。


①カンボジア.jpgのサムネイル画像
この地域の田舎には帝王切開のできる病院はAAMCしかありません。そしてAAMCで帝王切開ができるのも日本人の産科医師が駐在中の期間限定です。帝王切開が必要な人は、首都のプノンペンまで行き、手術を受けるように説明しています。しかしプノンペンの病院では手術代が高いところでは1000$程かかります。産婦のほとんどが農家、飲食店、工場で働いており、月収100~200$です。そんな彼女たちにプノンペンへ行って手術してくださいと伝えるのはすごく心苦しく、こちらまで涙目になります。また、お金がないからリスクがあっても自然分娩にするしか方法がないと命掛けの選択をする産婦もいます。

もし、Batheay病院で帝王切開ができるようになれば、この地域で救える命が増えます。また、妊婦や産婦が増え収入が増えれば、スタッフもやる気UP。さらに国も人員を増やし、大きな病院にしようとしてくれるはずです。私たちもプノンペンで手術してね、と心苦しい話をする機会が減ります。何より、産婦たちが高いお金を払わずに帝王切開が受けられるようになり、お金がないからリスクを背負う選択をする、という状況から脱却できるのです。みんなが幸せになります。

そんな夢のような話を思い描きながら、手術の様子を伺いに今回、滞在にきました。
Batheay病院に到着し、すぐに帝王切開がありました。正直、日本人ひとりで立ち会うのは「何かトラブルがあったらどうしよう」と不安で胸がいっぱいでした。そんな私の気持ちを余所に、みんなスムーズに動いていました。今年の夏にAAMCでBatheay病院スタッフと合同で帝王切開を行ったときは、私に首根っこ掴まれ怒られていた外回りのナースがテキパキと動いていました。あの時は、「おしっこの管、入れたことない…」と怖気づいていた彼女がすばやく管を入れ、出血カウントも行い、ライトも合わせる、すぐに針糸が出せるようにポケットに入れておき、ナイスなタイミングで術野に出す!…もう、すごく感動しました。助産師も赤ちゃんの初期蘇生をやり遂げ、私の出番はありませんでした。


カンボジア②.jpg

しかし、まだまだ課題はあります。出産の現場は予測不可能なことが起こりますし、その時に素早く正しい判断をしなければ命取りになることもあります。また、田舎のカンボジア人助産師には産後のお母さんと赤ちゃんをケアする大切さは、あまり浸透していません。これらに対応できるような知識・技術・設備はまだまだ充分ではないことはわかっています。

それでも、自分の目で見た帝王切開の現場、自分の主催した勉強会に、たくさんのスタッフが参加し真剣に話を聞いてくれたこと、お母さんの大量出血に対して以前よりも対応が素早くなっていること、バックバルブマスクを抵抗なく使えるスタッフが増えたことなど、確実に全員が「ここで救えるお母さんと赤ちゃんを増やしたい」そう思っているからこそ生まれる行動がたくさん見えました。私がさっき書いた夢のような話はもしかしたら思っているより近いかもしれません。これからのカンボジアの周産期の発展が楽しみで、なによりそこに関われていることの幸せを今、噛みしめています。


カンボジア③.jpg 
アドバンスドナース 沼口翔子



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